IGFC、大規模太陽光発電、揚水発電の電力ミクスを適用した独立電源の運用最適化

石炭ガス化燃料電池コンバインドサイクル(IGFC)による分散電源は可能か?

IGFCは固体酸化物形燃料電池(IGFC)、ガスタービン発電機、さらに蒸気タービン発電機によるコンバインドサイクル(複合発電)で、発電効率が非常に高いことが特長です。特に米国では次世代の火力発電技術として有望視されており、各国で様々なプラントが稼働しています。一方、IGFCは原子力発電(国内)と同様に、通常はベース電源として一定出力で運用されます。この理由は主電源であるSOFCの運転温度を制御するのに時間を要し、この影響はさらに、SOFCのオフガスを用いるガスタービン発電機、そしてガスタービンの排熱を用いる蒸気タービン発電機の運転に及ぶためです。当研究室では、各電源の出力特性をモデル化し、さらに、空気分離機と石炭ガス化炉についてもモデル化することで、IGFCの過渡応答特性をMATLAB/Simulinkで可視化しています。
  下の図は本研究の調査対象である電力システムです。IGFCと大規模太陽光発電所を連系して発電します。しかしながらIGFCの時定数は非常に大きいので、ピーク負荷(負荷の変動分)に対応するために揚水発電を連系しています。太陽光発電とIGFCによる余剰電力で揚水発電所に蓄電し、負荷の大きい場合は揚水発電所より放電することで、負荷変動に対して安定した電力供給を行います。

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