IGFC (Integrated Coal Gasification Fuel Cell Combined Cycle) の動特性に関する研究

石炭ガス化燃料電池コンバインドサイクル(IGFC)のモデリング

下の図は、本研究で調査したIGFCのシステム構成です。空気分離機(ASU)と石炭ガス化炉を設置しており、石炭より生じるCO2はプロセスの途中で回収することができます。また、IGFCは発電効率が高くエネルギーセキュリティの点で優れていることから、将来の火力発電として有望と考えられています。将来のIGFCは再生可能エネルギーと連系する可能性が高く、負荷変動の動特性を明らかにする必要があります。そこで本研究ではIGFC動解析モデルを開発し、電力および熱出力の動特性を調査しました。本稿で開発したモデルをMATLAB/Simulink上で調査して、SOFC(固体酸化物形燃料電池)の空燃比、ガスタービンおよび蒸気タービンの慣性系、システムの電力出力の周波数偏差などを明らかにしました。さらに、実際の電力負荷パターンを解析モデルに導入することで、IGFCの応答性能を調査しました。IGFCの各タービン発電機の動力源はSOFCのオフガスから供給されており、SOFCの伝熱速度を改善することでオフガスを高速に安定化させる必要があることを確認しました。また、SOFCはインバータによる高速の周波数制御を導入することで変動負荷に対応できるものの、各タービン発電機による電力の周波数の安定には数時間を要することがわかりました。

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